貸与型奨学金の基礎知識
第一種(無利子)と第二種(有利子)の違い、返済方法などを詳しく解説します。
貸与型奨学金とは?
貸与型奨学金は、学生が在学中に資金を借りて、卒業後に返済していくタイプの奨学金制度です。JASSO(日本学生支援機構)をはじめとする各団体が提供しており、教育費の自己負担が大きい家庭にとって重要な支援制度となっています。
第一種と第二種の違い
貸与型奨学金には大きく分けて2種類あります:
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第一種奨学金(無利子)
成績が優秀で、かつ家庭の収入基準を満たす学生が対象。利子がかからないため、返済額は借りた金額そのままとなります。 -
第二種奨学金(有利子)
家庭の収入基準に一定の余裕があり、成績も基準を満たしていれば申請可能。利率は年利上限3%(実際は0.3〜1.0%程度が多い)で、在学中は無利子、卒業後から利子がつきます。
月額と返済シミュレーション
借りられる金額は2万円〜12万円の間で選択でき、学校種別や通学形態によって上限が異なります。たとえば月額5万円を4年間借りた場合、総額は約240万円となり、卒業後に15年程度かけて分割返済するのが一般的です。
返済開始とスケジュール
返済は卒業後の7か月目から開始されます。毎月一定額を支払う「定額返還方式」と、年収に応じて返済額が変わる「所得連動返還方式」があります。どちらを選ぶかは、将来の収入見込みに応じて判断しましょう。
猶予・減額返還制度
病気や失業、収入の大幅減などの事情で返済が困難になった場合には、「返還期限猶予制度」や「減額返還制度」を利用できます。いずれも申請が必要で、必要書類や理由書を提出して審査を受ける必要があります。
保証制度の選択
貸与型奨学金では、原則として保証人が必要です。しかし、家庭の事情などで保証人が用意できない場合は「機関保証制度」を選ぶことができます。これは、JASSOと提携した保証機関が保証を引き受ける仕組みです。
利用時の注意点
貸与型奨学金は将来的に返済が必要であることを常に念頭に置きましょう。返済計画をしっかり立て、卒業後の収入見通しを踏まえた借入額の選定が重要です。無理のない範囲で利用し、将来の負担を軽減しましょう。
参考リンク
貸与型奨学金は「借金」ではなく「投資」として考えることが大切です。賢く制度を活用し、夢の実現に近づいてください。